∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞     ○◎●  週刊                   ●◎○    ○◎●   正しい農薬の知識を身につけるマガジン  ●◎○   ○◎●          第40号 2002/11/2 発行  ●◎○   農薬に関する話題を中心に農業や環境問題を考えるメールマガジンです。   「農薬ネット」http://nouyaku.net/index.htmlと連動しています。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  主婦や学生でも安心して読めるように極力簡単に説明するようにしています。  メールマガジンに対するご意見はtateki@nouyaku.netまでお気軽にどうぞ。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ★★ 第40号の内容 ★★  【「特定農薬」に断固反対】  現在農薬取締法で検討されている「特定農薬」というカテゴリーに断固反対し ます。本メルマガでは珍しく(?)主張系の内容です。  【大丈夫かアトラジン?】  アトラジンという除草剤がやり玉に挙がっています。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ●今週の違法農薬使用問題●  青森県がリンゴに関して安全宣言しましたね。消費者としてはこれで一安心で す。そもそも食べてどうかという視点では違法農薬が使われていてもたまに食べ る分には全然問題ありませんから健康上の問題は安心してかまいません。  一方で前号でも書きましたが、農薬ネットの掲示板ではその検査自体の正当性 が疑わしい可能性があるとの指摘も出ていました。検査が正当かどうかは私が検 証することなど無理なのでコメントできませんが、今後農薬の分析法について世 間の関心が高まるのは間違いないでしょう。 http://www.nogyo.co.jp/cgi-bin/12ch/read.cgi?bbs=nouyaku&key=1028033132 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  【「特定農薬」に断固反対】  今臨時国会に農薬取締法の修正案が提出され可決にむけて論議されています。 その中に「特定農薬」というのを新たに設けようという内容が盛り込まれていま す。問題点があると指摘せずにはおられません。 ●特定農薬とは?●  作物につく病害虫や雑草を防除したりするのが農薬です。これを製造販売する には許可が必要だというのが現行の法律です。それだけなら別に困りません。で も、今度から法律が変わって登録されていない農薬を使った人(つまり農家)も 罰せられることになることは確実な情勢です。  そうなると防除目的なら水をまいただけでもダメという解釈すら出来ます。そ れは極端としても例えば牛乳や洗剤や木酢液や秘伝の自家製農薬(?)も今まで は農薬として販売されていませんでしたから問題なかったんですが、使用するこ とが問題だということならば問題になるわけですね。  そこでそういったものは「特定農薬」というカテゴリーを作って入れてしまい、 農薬登録が無くても使用して問題なしとする案が出てきました。ここまでの流れ だけ見ればそういうのが出てきて自然ですよね。 ●どんな問題があるの?●  以上のことから、「特定農薬」とは使っても散布する農家自身や消費者や自然 環境に対して問題がないと思われるが、防除効果も不確かで期待できないかもし れないものであると定義づけられると思います。  ということは、3つの問題点が自動的に出てきますね。  1,問題がないことをどうやって証明するのか?  2,効果がないものを「農薬」という名前で呼んでみんな混乱しないのか?  3,効果が不確かな物を販売することに道義的な問題はないのか? ●問題がないことをどうやって証明するか●  例えば牛乳を殺虫剤としてまくとしましょう。常識的に考えて農家や消費者に 毒性があるとは考えられないですね。しかし、自然環境や薬害(農作物そのもの に対する害のことを薬害と呼びます)が無いということはどうやって証明するん でしょうか。そんなバカなって思われるかも知れませんが、でも、金魚が入って いる水槽に牛乳を入れていけば死んじゃいますよ。牛乳を大々的にまいて、それ が川や池に入って魚が死ぬことはないんでしょうか?  そんなことあるわけないだろ、って思われるかもしれませんが、ため池ぐらい なら牛乳で白くなることだってありうるでしょう。登録農薬はそういったことも 含めて毒性研究を行い使用基準を決めてるわけですよね。  どれぐらいどんな風に使えば牛乳で自然環境に問題が出るか、逆に言うと出な いかと言うことを実験するべきでしょう。  まぁ、それでも牛乳なら「たてきさん杞憂だよ」って声が聞こえてきそうです が、木酢液だ米ぬかだマルチだとなるとどうでしょ。どこで線引っぱるのかな。 ●効果がないかもしれないものに「農薬」という単語を使うな●  これだけは特に声を大にしたいですが、まいてみないと効くかどうかわからな いようなものに「農薬」という単語を使うのは絶対にダメです。もしも、効かな かったときに責任とれるのか?混乱を招くのは目に見えています。  特定農薬に関しては効力を示すような宣伝をしてはいけないといった風になり そうですが、それならいったいどうやって売るのか。まいてみないとわかりませ んなんてものを推奨するような法律の制定はダメです。  農家が勝手に自分で作ったりしてまく分はしかたが無いでしょう。むしろ、ち ょっとした工夫で減農薬できるかも知れません。でも、効果を保証できない物を 使うのは勝手ですが売るのは犯罪的です。詐欺って言われても仕方ないでしょう。  特定農薬は農薬とうたうことはできない代物です。設定するなら別のネーミン グで。そして使用は良いけど販売はダメというスタンスで行って欲しいですね。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  農薬取締法の改正の話題や、違法農薬話題は掲示板で活発に論議されています。  http://www.nogyo.co.jp/cgi-bin/12ch/nouyaku/index2.html ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  【大丈夫かアトラジン?】  アトラジンというのは除草剤の一種で、主に欧米で使われています。日本では 以前はゴルフ場などで使用されていました。そのアトラジンが低濃度でもカエル やオタマジャクシに影響を与えるということが示唆されています。 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&oe=UTF- 8&q=%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3  このデータだけでは結論づけることは出来ないと考えるのが普通だと思います が、心配なデータではあります。濃度が低いですし、実際の自然環境を観察した 結果も載っているようですから。ほ乳類に対しては影響が無いというデータがあ るので人間は心配しなくて良さそうですが、環境に対する影響はさらにつっこん だ研究がされることでしょう。  アトラジンは数十年来地下水からの検出などなにかとお騒がせな農薬であった ことも確かです。それだけ使われている量が多かったんですね。トウモロコシな どの増産に偉大な力を発揮し、多くの飢餓をすくってきたアトラジンもいよいよ 終焉の時を迎えるんではないでしょうか。新型の除草剤や遺伝子組換え作物の発 展によりその必要性も薄れてきていますし、引退する頃合いかもしれませんね。  この問題は世界的に大きな問題になりそうです。今後注視していく必要がある でしょう。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  農薬に関するご質問はお気軽にたてきまでメールまたは掲示板へどうぞ。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  メールは tateki@nouyaku.net まで  HPは http://nouyaku.net/index.html  配信数は 2356部です。  無断転載はお断りいたします。メールくだされば許可します。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡