∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞     ○◎●  週刊                   ●◎○    ○◎●   正しい農薬の知識を身につけるマガジン  ●◎○   ○◎●          第37号 2002/10/6 発行   ●◎○   農薬に関する話題を中心に農業や環境問題を考えるメールマガジンです。   「農薬ネット」http://nouyaku.net/index.htmlと連動しています。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  主婦や学生でも安心して読めるように極力簡単に説明するようにしています。  メールマガジンに対するご意見はtateki@nouyaku.netまでお気軽にどうぞ。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  このメールマガジンのバックナンバーは以下のHPで見ることができます。  http://nouyaku.net/mag/MAGAJIN.html  農薬に関する話題は農薬掲示板へどうぞ。たいへん盛り上がっています。  http://www.nogyo.co.jp/cgi-bin/12ch/nouyaku/index2.html  今回も1日遅配となりました。すいません。日曜日はちょっと難しいですね。 発行日を変えるかもしれません。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ★★ 第37号の内容 ★★  【農薬ってどれぐらい使われているの?】  今回は消費者向けですかね。田畑に病害虫が出る、雑草が出る、それはわかっ た。では、いったいどれぐらい農薬はまかれているのでしょうか? ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ●今週の無登録農薬使用問題●  農薬取締法の改正は本年中、または来年の前半には行われるそうです。農家に も使用者責任と罰則が加えられることは間違いないようです。来年使う農薬はこ れから色々と情報収集することになると思いますが、くれぐれも登録農薬以外は 使いませんように。  並行輸入農薬も問題になってきたかも?並行輸入のラリー(農薬の名前)が摘 発されたようです。国内で登録のある農薬でも登録を取っているメーカー以外が 製造したものは全て無登録農薬です。日本の登録番号が袋に書いてあるかお確か めください。ましてや日本語以外のラベルが貼ってあるものは論外です。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  【農薬の散布回数はどれぐらいなのか】 ●米の場合●  今日、うちの嫁が買ってきたお米の袋には「田植え以降農薬散布1回だけ」と 大きく書かれていました。福岡産のコシヒカリ無洗米です。福岡でもコシヒカリ (寒地向けの品種)を作っているのかと思いました。  農薬散布が1回だけということが宣伝文句のひとつですが、じゃぁ、普通なら どれぐらいまいてるんでしょう。この米の場合「田植え以降」と書いてあるとこ ろがポイントですね。つまり田植え前にはまいてるってことの裏返しですよね。  今は育苗箱処理といって田植え前の苗の時に農薬をまくんですね。それを田植 機で田植えするわけです。水田には除草剤をまきますね。運が良ければそれだけ で済みます。つまり、「田植え以降農薬散布1回だけ」というのはべつに普通で すね。 ●野菜の場合●  野菜の場合は当然ですが種類によります。各地区で各野菜について防除歴とい うのを発行していますのでそれを見ればだいたいわかります。全ての農家がこの 通りやっているわけではないですけどね。  例えば春大根なら殺虫剤を5回。夏大根なら殺虫剤と殺菌剤を計9回。 (片品村農協HPより、このHPはホント素晴らしい。よいHPの見本です) http://www2.ocn.ne.jp/~jaoze/nougyo/einou/ei_21harudai_kusuri.htm http://www2.ocn.ne.jp/~jaoze/nougyo/einou/ei_24natudai_kusuri.htm  北海道のキャベツなら5〜6回。(本庄農場HPより) http://www.phoenix-c.or.jp/~agri-hon/farm/topics/cabbage.html  でも、化学農薬だけの回数を見れば4回ぐらい。これは少ない方ですね。  その他、イチゴなら15回ぐらいかな。ナスだと多いところでは20回ぐらい。  大根の生育期間は2ヶ月ぐらい、キャベツなら定植から2ヶ月ぐらいですから 毎週のようにまいていることになりますね。 ●果物の場合●  果物は一般的に農薬の散布回数は多いですね。生育期間が長いですし、実や葉 が軟弱で病害虫に弱いものが多いし、野菜以上に傷などにうるさいですから当然 といえば当然です。消費者の方でも何となくイメージできると思います。  高知県の高知農業ネットに果樹の防除歴が出ていますね。見てみましょう。 http://www.nogyo.tosa.net-kochi.gr.jp/saibai/kaju/index.html  ナシで年間15〜28回ぐらい、みかんで10〜15回、柿で8〜12回。  長野県の基準防除というのもありました。 (千野果樹園HPより。こういうHPを作ってはじめて「安心」をうたえます) http://www.chino-fruit.com/guest_room/boujo/ringo01_data.htm  リンゴで13回ぐらいみたいですね。 ●散布回数、多い?少ない?●  読者の中には「えっ!そんなにまいてるの!!」と驚いた方もおられるでしょ う。これが多いか少ないかは判断する人の基準によりますね。  もちろん農家によって産地によって散布回数は違います。半分以下の回数でや っている農家もあります。  昔はもっと少なかったかもしれませんね。最近は農作物に傷ひとつ変色ひとつ あっても商品としては無価値になってしまいますから、防除回数は増えてますね。 でも、この5年ぐらいは減ってますね。減農薬指向の高まりと農薬の性能向上や 作物の品種改良、及び農家の技量向上などが理由として考えられます。  また、いわゆる土づくりや農薬以外の病害虫防除方法(耕種的方法)でも散布 回数が減らせる場合もあります。 ●多い少ないは散布回数だけで決まるもんではない●  散布回数に焦点を当ててきましたが、一回に散布している量も重要ですね。農 薬は有効成分とそれらの効果を安定化しまきやすくするために入っている補助成 分とが入っています。有効成分量が少ない方が良いような気がしますが、一般的 には新しい農薬の方が有効成分量は少ないですね。つまり効果が高いということ です。ただ、有効成分量が多いからダメかというと一概にそうとは言えないです ね。ようするに毒性や環境安全性との兼ね合いですから、多くてもそれらに問題 がなければいいですね。  なお、有効成分量は通常ヘクタールあたり数百から数千グラムです。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  農薬に関するご質問はお気軽にたてきまでメールまたは掲示板へどうぞ。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  メールは tateki@nouyaku.net まで  HPは http://nouyaku.net/index.html  配信数は 2254部です。  無断転載はお断りいたします。メールくだされば許可します。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡