∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞     ○◎● 隔週刊                   ●◎○    ○◎●   正しい農薬の知識を身につけるマガジン  ●◎○   ○◎●          第24号 2002/6/12 発行  ●◎○   農薬に関する話題を中心に農業や環境問題を考えるメールマガジンです。   「農薬ネット」http://nouyaku.net/index.htmlと連動しています。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  主婦や学生でも安心して読めるように極力簡単に説明するようにしています。  メールマガジンに対するご意見はtateki@nouyaku.netまでお気軽にどうぞ。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ◆◆◆ 1歳になったよ、サッカー日本代表アンダー14ヶ月代表入り?◆◆◆  洸樹くんの子育てられ日記 → http://www2.diary.ne.jp/user/92852/ ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ◆■◆ 緊急警報 ◆■◆  現在「クレズ」というコンピューターウィルスが大流行中です。 このウィルスはメールで感染しますが、その際にメールの差出人を偽装します。 たてきからウィルスメールが届いた人もいると思いますが、たてきのパソコンは 感染していません。偽装されたものです。読者の方にもかなりの感染者がいるも のと想像されます。詳しくは下記ホームページで。必ず対策しましょう。 http://www.trendmicro.co.jp/klez/ ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ★★ 第24号の内容 ★★  【野生生物と農薬について・その1】  6/12の読売新聞朝刊の「解説」欄の農薬の記事は秀逸な内容でした。ぜひ読ん でみて欲しいと思います。  その記事中で野生生物と農薬の関係が話題になっていますが、基本的な考え方 についてちょっとだけ解説します。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  【野生生物の考え方について】 ●まず、農薬により野生生物が死んだり、数が減ったりすることはないようにし なければいけません。そのためには農薬の種類やまき方について工夫する必要が あるでしょう。また、極力農薬の使用量を減らすよう努力すべきです。。。と、 ここまでは一般的に言われているおはなしです。  もっともらしいおはなしでだれもが納得せざるを得ないわけですが、実はそん な簡単なものではありません。なぜなら害虫や雑草も野生生物だからです。人間 が勝手に害虫と守るべき野生生物を区分しているだけで、害虫と呼ばれている生 物に自分自身は害虫であるという自覚はありません。ただ単に目の前に大量のエ サ(農作物)が用意されたので、それをバクバク食べて子孫を増やしているだけ です。農作物さえなければ人間がいないところで細々と生きるだけの弱い存在で す。  また、農薬から見ても同様です。例えば蝶と蛾を考えた場合、人間としては美 しい蝶は死なないで、にっくき蛾だけ死んでくれる薬があれば都合がいいですが、 蝶も蛾も人間の都合で区別されているだけです。生物としては同じ種類ですから そんな都合のいい薬はありませんし、今後も出てこないんじゃないでしょうか。  【害虫・雑草も野生生物】 ●そして、作物は野生生物ではないんですね。これは人為的に整えられた場所 (田んぼや畑)に人為的に植えられたものです。そこに虫やら菌やら草といった 野生生物が入ってきて、さらにそれらを狙ってカエルやら魚やらイノシシやらが 入ってきたりもするわけです。  ですから、田畑に存在しているものは人為的な作物と自然発生的な野生生物の 2種類のみであり、それを害があるなしで区分けしているのは人間の勝手な都合 にしかすぎないと言うわけです。そんな中で野生生物をいるものいらないものに 分別して、いらないものだけを排除しようというのは、そもそもコンセプトとし て無理があるんですね。  【野生生物は減っても良いのか?】 ●ですから、「ある程度の野生生物の減少はやむを得ない」という考え方が出て きます。これはある意味正論です。人間の食料生産のために犠牲になっている生 命という考え方からいけば、たんぼで農薬の影響により死んでしまった野生生物 と食卓にあがっている肉や魚は倫理的には同列に扱われるべきでしょう。 ●では、野生生物の減少を容認して良いのでしょうか。答えのキーポイントは 「野生私物の減少」とはどういう意味なのか?ということを考えることに隠され ています。さきほど、肉や魚と野生生物は倫理的には同列といいましたが、食料 生産的には同列ではありません。なぜなら、牛や魚が全て死んでしまえば食べる ものが無くなって人間も困りますが、野生生物、たとえばカエルや野鳥が全て死 んでしまっても人間は困りません。ですから、野生生物の減少には時に無頓着に なります。  一方、牛や魚の減少には敏感です。一定量が確保できるように乱獲を規制した り、あるいは畜産や養殖を行ったりしています。しかし、漁師さんが魚を捕れば やはり魚の量は減ります。つまり減っても良いんです。問題は減りすぎて次世代 が繁栄できなくなってしまうことなんです。  【野生生物を管理する必要性】 ●この考え方を野生生物にも導入すべきです。つまり、田んぼや畑の野生生物が いくらか減少しても次世代が繁栄することができるよう管理されていれば良しと すれば問題ないのではないかと言うことです。しかし、そのことは簡単なことで はありません。決して無理なことでもありませんが。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  さて、次に考えるべきは「田んぼや畑は自然なのか自然ではないのか?」とい うことです。作物は人為的に植えられたものですから自然ではないんだから、田 んぼや畑も自然ではないと考えるのが普通です。  しかし、人間だって猿から自然に進化して自然に生まれてきた生物です。決し て何らかの意図を持って神様に作られた特別な生物ではありません。その人間が 数千年にわたって行ってきた農耕も自然な行為であり、そういう観点から言えば 田んぼや畑も自然であると考えられます。  田んぼが田んぼになる前、そこは森か沼かだったはずです。そこには田んぼに いるようなカブトエビもいなかったしカエルもいなかったんですね。ましてやア メリカザリガニのように帰化生物(もともと日本にはいなかったが外国から日本 にやってきて土着した生物)なんて全くいなかったわけです。でも、今はそれら は野生生物として取り扱われています。  このように田んぼや畑も自然のシステムの中で独自の自然環境を生み出してい るわけです。これを農業生態系と呼びます。これは次回のメールマガジンで深く つっこんでみたいと思います。そして、野生生物と農薬の関係を明らかにしてい きます。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  現在「農薬掲示板」はサーバーがダウンしています。復活は15日頃の見込み。 また、農薬ネットはアクセス数の増大により値段の高いレンタルサーバーへの移 転を余儀なくされました。たてきの財布を救うため農薬ネットに張り付けてある バナーのクリックよろしく! ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  メールは tateki@nouyaku.net まで  HPは http://nouyaku.net/index.html  配信数は 1805部です。  無断転載はお断りいたします。メールくだされば許可します。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡